こびーのデータ格闘伝

データをどう見せるか?を日々考えて英国で働いています

インテラクティブとは?

飽き性なので、、久しぶりの投稿です。

 

ExcelやTableauにしろ、どんなレポートを作るときにも心掛けていることがあります。

それは、「インテラクティブ(Interactive)」なことです。

 

こんな経験ありませんか?

上司から頼まれて、何かレポートをExcelで作ったあと、決まって、

「こういう切り口でも見たいんだけど」

「この数値、増えている原因は?」

といったお願いがあり、また追加作業か、、とがっくりする。

 

「インタラクティブ」なレポートならその悩みが消えます。

 

通常、Excel等で作ったり、古いシステムから出てくるレポートは、表形式だったり、グラフ形式であっても、紙に印刷できるように、何も動くことはないです。

紙ベースの仕事があふれていた以前は、このような「静的」なレポートでも十分でした。というより、それしか方法がなかったです。

ところが、現在は紙に印刷する機会も少なくなり、PC、タブレット、スマートフォンでレポートを見る機会も増えてきました。そんな時代において、静的なレポートはもったいないです。

レポートを見て、このデータの詳細を知りたい、別の切り口でも見たい、そんな欲望が出てくるのは自然なことです。その際に、ユーザ自身がレポートを触って、それに応じてレポートの表示が切り替わる、それが「インタラクティブ」です。

TableauやPower BI等のBIツールが得意とするのは、このインテラクティブ性です。

以下のレポートがいい例ですね。任意の都道府県をクリックすると、その都道府県の明細が見れます。

 

 

 

インタラクティブは、Tableauとかのツールがないとできないし、ハードルが高そうと思うかもしれません。

そんなことはありません。Excelでも十分可能です!

Excelは関数、ピボットテーブル、パワーピボット、パワークエリ、マクロ何でもござれなので、どんなこともできます。

ただ、インタラクティブなレポートを実現するのに、おすすめなのが、ピボットテーブルとパワーピボットです。

ピボットテーブルは使える方は多いかもしれませんが、パワーピボットになると、ハードルが上がりますが、その分やれることもぐんと増えます。

(英語ですみませんが、、)こんなダッシュボードもExcelでできちゃいます。

 

 

静的なレポートだと、分析にかかっていた時間が、一瞬になり、そして誰でも自分で解答を見つけられちゃいます!

このセンスをもっともっと磨きたいです。

BIツール TableauかPower BIか③ ~Excelとの親和性~

BIツール TableauかPower BIか② ~操作性~ - こびーのデータ格闘伝から続きます。

 

さて、③の観点は、Excelとの親和性です。

BIツールを導入するとき、「目指せ!脱Excel」なんだかんだみたいなことが叫ばれることがあります。はじめに断りますが、これは大いなる勘違いです。Excelは素晴らしいソフトウェアで、決して捨てるべきではありません。そして、BIツールは、Excelの完全なる代わりにはなり得ません。

ExcelはBIツールのような集計・グラフ作成だけでなく、データ加工、入力、書類フォーマット(数々の反対意見はありますが、、)、いろんな機能の集まった、何でも屋さんのスーパーマルチタスクソフトウェアです。恐らく人類は永遠にこの呪縛から逃れられないでしょう。

そうです、脱Excelでなく、Excelとの共存を目指すべきです!

 

そこで、Excelとの親和性が大事になってきます。ご察しの通り、ここは天下のMicrosoft社のPower BIの圧勝です。

 

TableauもExcelからのデータ取り込みはできます。ただ、基本的には取り込むExcelは成形されたデータである必要があります。(Tableau prepという補助ソフトもあるようですが、ある障壁もあり、使ったことないのです。使ってみたいんですが。。)

Excelからデータを使いたくても、その前の成形がめんどうで、あきらめてしまっていることも多々あります。

 

Power BIはその点、Excelからのデータ取り込み、そして、加工に強みがあります。なぜなら、ここにPower Query(パワークエリ)やPower Pivot(パワーピボット)という、Excelにそのままついている機能と同じものが入っているからです!

ExcelでPower QueryとPower Pivotというものを使ったことがない人はこの話にピンとこないかもしれません。

このデータの取得から行くやつですね。(英語版ですみません。。)

この辺りの詳しい話はおいおい。。

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さっきの話を図にすると、こんな感じです。Power QueryやPower Pivotというものを聞いたことがあるかもしれませんが、実はExcelの中にも含まれているし、Power BIにも同じものが含まれているんです!

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つまり、親和性が高いどころか、中身はほぼExcelに搭載されている機能で、ダッシュボード構築機能だけ追加されたものがPower BIなんです!

 

さて、①~③をまとめますと、

①外部評価 Power BI
②操作性 Tableau
③Excelとの親和性 Power BI

ということで、2勝1敗でPower BIの勝ち!

と言いたいところですが、外部評価は恐らくExcel等の周辺ソフトも含めた総合性で評価されている向きもあるので、実は①と③の面は一緒だったりする。

Tableauの操作性、そしてその思想も大好きなので、引き分けとさせてください。

 

でも、個人的には、真の勝者は、デデデデデデ、

デン!

Power Query、Power Pivotも含めたExcelです!

BIツール TableauかPower BIか② ~操作性~

 

BIツール TableauかPower BIか① - こびーのデータ格闘伝から続きます。

 

さて、肝心の使い勝手というところですが、先に断っておくと、私は会社で使っている関係で、Tableauをメインに使ってるので、Tableauの方が使い慣れている、ということをご了承ください。

 

その上でですが、レポートを作る際の操作性・直観性は、Tableauの方が有利かと思います。

Tableauの感心するところは、マウス操作で色々直観的に操作できるところです。下のマークのところの、メニューが秀逸です。左側にある要素をExcelのピボットテーブルの感覚で行や列、フィルタに持ってきたり、さらに色やサイズのところにも持ってこれます。これをすべてマウス操作で直観的にできるので、とっつきやすいです。

Tableauの共同創業者の一人が、ピクサー設立にかかわったことからわかるように、データを美しく見える化する、そんな美学が垣間見えます。

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対してPower BIは、こんな外観です。

Microsoft Office製品だけあって、Excelなんかとメニューの構造は似ています。

そして、Tableauのマークのところに当たるのがこの赤いところですね。ここに右側の要素からドラッグ&ドロップ等で編集する操作性は似たものがあります。

ただ、Power BIの方がごちゃごちゃした印象はありませんか?

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ここ、大事なのでもう少し拡大して話します。

どんなビューにするか、という選択のところに設計思想が現れています。

Tableauのマークの種類は13種類、それに対してPower BIは37種類表示されています。(「表示」というのも、一番下の「…」から、いろんなテンプレがダウンロードできます。)

Tableauの方が少ない!印象がありますが、例えば、Tableauでの「Bar(棒グラフ)」に対して、Power BIのメニューの上列6個が同じことに対応しています。

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どうやって、棒グラフ一つで6種類表現するの?というと、Tableauのこの行列・マークに何を入れるかで違うグラフが表現できるんです。このあたりの直観・操作性は小さな違いなようで、大きな違いです。

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Power BIは、いろんなテンプレを追加できる、という利点もありますが、Tableauは逆に使えるグラフを厳選しています。

「最も美しく機能的なグラフは棒グラフだから、それだけ使っておけばいいんだ!」

と言わんばかりの自信です。

ある意味、拡張性の少ないiPhoneとユーザーで何でも拡張できるAndroidのような違いを感じます。

 

個人の好みはあるかと思いますが、操作性・直観性、そして設計思想の美しさという点ではTableauに軍配が上がります。

 

②で完結させようと思ったのですが、意外と長くなってしまったので、③へと続きます。

BIツール TableauかPower BIか① ~外部評価~

世の中にBIツールと言葉が広がってからだいぶ時間が経ちました。

私自身も会社でTableauを5年以上使っています。

 

まずは、BIツールとは何ぞやというところから振り返りましょう。

Wikipediaによると、「ビジネスインテリジェンスを行うアプリケーションソフトウェア(ツール)を指す。」とのことです。

そのままやんけ。

BIというのがBusiness Intelligenceを指すので、当たり前のことしか述べていません。

では、その「ビジネスインテリジェンス」とは?というと、

またWkipediaによると、

「ビジネスインテリジェンスとは、企業内の各種システムや各部門に散在する巨大な規模のデータを収集し、データウェアハウスやデータマートなどに保管し、データアナリストが様々な切り口で分析してビジュアル化された報告資料を作成し、それをもとに経営者が意思決定を行うことである。」

とのことです。

つまるところ、「データを見える化するツール」ということですね。

 

実はExcelもBIツールです。広義でも何でもなく。

データをわかりやすい表に成形したり、グラフにしたり。

何だ、太古(とは言い過ぎですが)からやってきたことにすぎません。

 

ただ、BIツールという言葉を使うときには、もっとビッグデータを扱ったり、もっと「見える化」に特化していたりします。

代表的なものに、Tableau社のTableauとMicrosoft社のPower BIがありますね。

 

さて、私自身もTableauを会社で使っておきながら、どちらがいいんだろうというのを考えてみました。

 

まずは参考になるのが、Gartner社が毎年出している、Magic Quadrant(マジッククアドラント)というものです。市場に出ているソフトウェアのどれが優れているのか、参考になる資料です。

最新の2021年の資料がこちら。

縦軸に「実行能力の高さ」を、横軸に「ビジョンの具体性」を示していて、4つの箱に分けて、それぞれを格付けしています。

一番いいのは、右上の象限で、「リーダー」と呼ばれています。そこに、Microsoft(Power BIのことですね)とTableauがあります。

どちらも優れたソフトウェアと位置づけされていますが、Gartnerとしては、Power BIの方が実行能力、ビジョンともに上、という明確な位置付けをしています。

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Tableau社もMicrosoft社もこれが発表されると、〇年連続リーダーに選ばれました!と大々的に発表しています。ただ、発表ページを見るとわかるように、Tableau社の方は、肝心な上の図を載せていません。。ここ数年はMicrosoftに上を行かれていて、それをそのまま載せるわけにはいかないんでしょう。

Microsoft社

powerbi.microsoft.com

 

Tableau社

www.tableau.com

 

両社がしのぎを削っている様子がわかるTableauレポートを見つけました。

 

一時期、Tableauの方が先行していたこともありますが、最近はMicrosoftに上回られていることがわかりますね。

 

ということで、Gartner社の評価を信じると、MicrosoftのPower BIに軍配が上がります。

 

さて、実際の使い勝手については、②へ続く。

Excelで使うべき機能は?

Excelにはいろんな機能があります。

  • 関数
  • ピボットテーブル
  • VBA(マクロ)
  • Power Query / Power Pivot

じゃあ、どれを使えばいいの?どれを勉強すればいいの?

Excelに慣れてきた人が直面する課題です。

 

この図を見てください。それぞれの機能の学習に必要な時間と得られる効果を対比しているイメージです。

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Excelを始めるときに、みなさん最初は「関数」から入りますよね。いちばんとっつきやすいですし、まあ、それしか方法を知らないというのもあります。関数が使えないとExcelを使えることにはなりませんし。
でも、この関数は、とっつきやすいですが、奥は深く、学習時間もかかります。そして、その割に得られる効果には天井があります。
きっと、関数を極めるうちに、もっとこうしたい、こうだといいのに、といった欲が出てくるかと思います。

 

次にとっつきやすいのは「ピボットテーブル」です。この辺りまでは触ったことがある人が多いのではないでしょうか?こちらも直感的に使えるという使いやすさがある割に、学習時間も少なく、費用対効果は大きいです。関数より比較的より多くのデータが使えるというメリットもあります。

 

さて、「VBA」は、「マクロ」とも呼ばれますが、古くからある機能なので多くの人は触ったことがなくても、聞いたことはあるかと思います。非常に自由度が高く、最終的な効果も期待できますが、プログラムを書く必要があるため、敷居が高いです。学習時間も非常にかかり、成果が出るまでにも多くの勉強時間が必要です。
私もある程度マスターしているつもりですが、時間もかかりますし、メンテナンスもしづらく、ブラックボックス化するので、他の機能で実現できない場合の最終手段ととらえています。

 

最後に、「Power Query / Power Pivot」です。比較的新しい機能です。「ピボットテーブル」の延長線上にあると考えてください。聞いたことはない人もいるかと思いますが、実は、「VBA」よりはずっととっつきやすいんです。そして、少ない学習時間でとてつもない効能が期待できます!

 

はい、ここまで読んでわかる通り、私は「Power Query / Power Pivot」の回し者です。進んで回し者になりたいくらい、優れモノなんです。
実は私もこの機能に出会ってたった1年強ですが、他の機能を使うのが嫌になるくらい、便利です。

 

もちろん、いくら優れているからといって、「Power Query / Power Pivot」だけ覚えればいいというものではありません。すべての機能に一長一短があるので、すべての機能を覚えて、場面に応じて使い分けることが理想です。

自己紹介

2022年、思い立ってブログを開設することにしました。

 

まずは自己紹介。

 

日系メーカーの経理として働く30代。

10年以上経理として働いてきて、2社目。出納・固定資産・税務・単体決算・連結決算・開示・管理会計、何でもござれで取り組んできました。

そして現在は英国駐在で言語の壁と格闘中。

得意技は一貫してデータ処理。

この得意技があるからこそ言語の壁も突き破れる!

グラフ・表は百倍物を言う。自分のつたない英語なら、一万倍物を言う!!

<所有武器>

基本のExcel

ここ1年で身に付けたPower Query & Power Pivot

そして触れて楽しいTableau

 

これらの武器の使い方も大事だけど、

もっと大事なのは

どう見せるか

どう使わせるか

だと実感中。

 

そのあたりをちょこちょこ発信できたらと思っています。